日本を発ってから6週間が経とうとしている。まだ6週間。早6週間。
ここマウント・ビューティに到着してからは1ヶ月が経った。
これまで地に根を張らない生活をそれぞれしてきたスティーブと私が、ハンナによってひとつに結ばれ、マウント・ビューティに家庭を持つこととなった。
ここは人口約1700人の小さな町。フォールス・クリークというオーストラリアの数少ないスキーリゾートの足元ということで、特に冬は観光客が多く訪れる。
10年ほど前からスティーブの兄アンディが住み、スティーブも若い頃フォールス・クリークで仕事をしていたことから知り合いや友人が何人かいるし、小さなコミュニティーで皆が助け合いながら生活しているスタイルから、スタートの場所、そして子供を育てる環境に最適という理由から、この土地に家を購入した。
10月半ば、実家で一番下の妹チヨリと祖母に束の間の別れを惜しみながら、両親と妹と共に成田空港へ向かうべく、私の妊娠7ヶ月からハンナが5ヶ月まで過ごした秋田を出発した。
チェックインの時刻よりかなり早めに到着した成田空港では、愛する両親、妹、わざわざ出てきてくれた叔母たちややいとこ、そして友人たちに見送られながら日本を発った。快適なフライトで8時間後にはゴールド・コーストに到着。スティーブの親友のひとりトムの家に一泊し、翌早朝スティーブの家族が居るアデレードに飛んだ。
空港では祖父母が首を長くして私たちの到着を待っていた。
彼らにとってはじめてのひ孫。この日をどれだけ心待ちにしていたことか!たくさんのキスとハグを受けたハンナは静かに曾祖母に抱かれていた。
アデレードでは、家族が皆集まって食事をしたり、スティーブの母の友人がたくさん訪ねてきたり、スティーブの友人たちと集まってバーベキューをしたりと忙しく1週間が過ぎた。
新しい我が家へ向かうため、私たちはメルボルンへ出発。メルボルンでは車を購入するという目的もあり、まだまだ気持ちが落ち着かなかった。
滞在した友人キャロライン宅では、彼女の2人の男の子と産まれたばかりの女の子に、キャロラインの妹の息子と、総勢4人の子供たちプラスハンナという保育園のような賑やかさだった。彼女の家に3泊している間に、私たちは今後私たちの足となるスバルの中古車を購入した。
いよいよ、本当の意味で、3人での生活が始まろうとしていた。
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